唐変木のためのガイダンス

バツイチ・卵巣がん闘病中・統合失調症・ADHD診断済・交際相手有の50代前半女性の日記。

元義父の通夜と告別式

 15日の早朝に元義父が亡くなったと、離婚後も連絡を取っている元夫の叔母(元義母の異父妹)から私のスマホに電話があった。
 元義父は8年前にALSを発症。1年前からは認知症も発症していた。
 元夫と私は元義母から逃げるために、2017年春に練馬区から夜逃げ同然で小平市に引っ越した。
 その前から元夫と私は義母と疎遠になっていたので、元義父には2016年末の元義弟の再婚の際の両家顔合わせの食事会以来会っていなかった。食事会と言ってもこの時には元義父は既に固形物を摂取できる病状ではなかったので両家で家族写真を撮ってから食事会の前に義母の運転で帰宅したので、一時間も顔を合わせていない。
 喪主は元義母だが一般常識が通用しないし息子二人も心もとないから、私に通夜と告別式に出て欲しいと元夫の叔母から言われた。
 私は元夫にも元義家族にも会いたくなかったし、あまりにも虫が良すぎる頼み事だと思ったので、両親に相談。
 結婚していた時に元夫と元義母に私が迷惑をかけられ続けていたのと、両親も元義母に常識では考えられない迷惑をかけられたので、もちろん激怒。
 父が元夫の叔母に電話して、どういうことだ!と詰めよった。
 元夫の叔母も異父妹である元義母に迷惑をかけられ続けていたことを両親が知っていたことと、大学で生活科学系の分野で教鞭を執っていた(現在はリタイア)聡明な人なので父と冷静に物おじせず理路整然とスムーズに話を進め、父の怒りは収まっていった。

 結果、東北地方の名士で資産家の家庭に嫁いだ元夫の叔母からそれ相応の報酬をいただくことと、元義母に弁護士経由で接近禁止命令を出していることもあり元夫および義家族は私への過度の接触を避けることを条件に通夜と告別式への列席の依頼を受けた。

 8月17日(月)の通夜の日。練馬区某所にある葬儀場に足を運んだ。家族葬で執り行うことになっていた。元夫には約11ヵ月ぶり。義母には約3年半ぶり。義弟には3年8ヵ月ぶりに会った。
 元義妹が来ていなかったので義妹はお仕事の後にいらっしゃるのですか?とやんわり聞いたところ、今年の春に離婚していたことが判明。
 元義母が離婚理由をベラベラと話しそうになったのを、元夫と元義弟が制した。

 家族葬だったら通夜は必要なく告別式だけで問題ないと葬儀屋さんから言われたとのことだったが、義母が疎遠になっている長男である元夫に会う回数を増やしたいからと(元義弟は離婚後に実家に出戻り。)通夜もやると言い張ったという。

 元義母が近所の人達や職場の人達や習い事関係の人達に話し過ぎたため、家族葬にも関わらず葬儀場に弔問客が続々やってきた。通夜に列席させてくれと言って聞かず、葬儀場の係員を困らせる厄介な人達も現れた。
 また供花も複数。元義妹のお父様からも。
 家族葬の体を成さない状態に。
 呆れてものが言えなかった。
 
 通夜の後は会食。八畳ほどの場所に机と椅子を置いた密集した場所で約2時間。仕出し弁当ではなく、桶に入った寿司、お皿に盛られた刺身や天ぷらや煮物をめいめい取り分ける方式。
 コロナウイルス感染対策のガイドラインが無視された状態。
 酔っぱらうといつも出てくる元義母の一方的な被害妄想から成立している不幸話を聞かされてげんなり。
 また、久しぶりに皆に会えてうれしい。お父さんが会わせてくれた。と大はしゃぎする義母に二の句が継げなかった。

 葬儀場の係員からお時間ですのでと言われて、そそくさと退出。
 元夫から一緒に所沢駅まで帰ろうと言われたが、聞こえないふりをしてつかつかと葬儀場の門を出て駅まで1kmほど一人で歩く。

 皆がコロナウイルス感染対策に神経を使っている時期に長時間の会食等は考えが足りな過ぎると、父が激怒。明日の告別式には行くな!と言われた。しかし、報酬をいただいているので行くと父を押しとどめた。

 翌8月18日(火)、午前中に告別式兼初七日法要。
 家族葬のみ取り扱う葬儀場なので通夜のようなことが起こらないようにするためか、「ご家族以外の列席はお断りいたします。ことづけ物は受付の係員に。」
という但し書きが追加して貼られていた。
 元義母の通夜の時の格好に眉をひそめていたが、告別式の時の格好はもっと私の血圧を上げた。
 白の光沢があるフリルのブラウスを着て、胸元をがっつり開けていた。黒のパンツスーツのジャケットは襟を立てていた。足元は裸足に黒のベロア地の金色のバックルがついたサンダル。両耳にはシルバーのラインストーンが散りばめられた真珠のピアス。黒の冠婚葬祭用のバッグは持っていたが、サブバッグはルイ・ヴィトンのダミエの白のトートバッグ。(元義母はブランド物が大好き。)
 元義母は来年の1月で70歳になるが、この年になるまで何度も注意をしてくれる人はいたはず。しかし、聞き入れなかったから弔事にこのような格好になったのだろう。
 母にこのことを話したら、この歳でこんな感じではもうどうしようもないと言っていた。
 元義母は親族の冠婚葬祭を出入り禁止になっている。
 それも仕方ない処遇だろうと話し合った。

 告別式兼初七日法要を終えてからマイクロバスで火葬場に移動。
 元義母が火葬場の喫茶室でお腹空いた!と大声で騒いで、職員さんに注意を受けた。みっともない。

 火葬場を出て、またマイクロバスで葬儀場に戻った。元義弟が運転する車で帰宅する元義母を見送ってから、係員さんにお礼を言って葬儀場を後に。いきがかり上大通りに出るまで元夫と一緒に歩く羽目に。お互い無言。大通りに出る直前に元夫にマンションに寄って欲しいと言われたので、過度な接触を避けることが列席の条件になっているとビシッと断った。案の定、キレられた。キレられた件は弁護士さんに報告済。弁護士さんに電話で注意を受けた元夫は平謝りだったそう。「過度な接触=身体に必要以上に触る」ことと解釈していて、一緒に帰ったりマンションに寄ってもらうことは問題ないと考えていたとのこと。

 夕方に帰宅。
 起こったことを両親に話したところ、両親は呆れたり激怒したり。ここまで一般常識が通じない人達とよく10年も一緒に居たね。離婚してよかったという話になった。

 翌日、元夫の叔母から納骨の儀にも出て欲しいとメールがあった。
 このご時世に県境をまたいで埼玉県内の霊園に行って納骨の儀をするのは狂気の沙汰としか思えないと、両親と話し合って丁重にお断り。

 元夫とも元義家族とも二度と会うことはないだろう。
 会いたくないが。